ジュニア男子は須本光希選手(関西大学)が制しました。
フリー「ミ・マンケライ」。滑らかなスケーティングと柔らかな指の動きで物語を表現しています。
フリー後の囲み取材では、自身の演技をこう振り返りました。
須本「うーん、練習でもアクセルと4回転はほとんどミスがない状態で。ちょっと構成を落としてはいるんですが、試合で練習通りのことができたというのは自分にとっては良かったかなと」
―この試合が終わったらシニアへということですが。この経験をどう生かしていきたいですか?
須本「シニアに行けば守るものはないので、しっかり4回転1本でなく複数プログラムに入れられるようにしっかり持っていきたいです」
―一番高めたいのは?
須本「シニアの選手を見て勉強をして、今自分の演技をあとで見返したら、やっぱりジュニアの滑りと思ってしまう部分があるので。シニアの滑りにするのが一番です。それに4回転を。練習では降りているんですが、本番で入れないと意味がないので。しっかりもっと確率をほぼ100%になるようにしたいです」
―この大会、優勝したらお肉がもらえますが。
須本「お肉も狙ってなかったといえばうそになりますが、あまり今年は考えてなくて。今回、出られなかったですけど、壷井(達也)選手(中京大中京高校)ともう一度戦いたいというので、ジュニアで出ることを決めたので。そこは悔しかったですけど、結果は良かったかなと思います」
―チャレンジャーシリーズまでシニアに専念するということですが、どんな練習をしていきたいですか?
須本「やはり体力面というか体作りを一番重要視して、それプラスアクセルと4回転を複数飛べるようにしたいです」
―いまメドがたっているのは(4回転)トゥループ?
須本「練習ではいい感じなんですけど、他はまだちょっとかかるかなという感じで、しっかり練習していきたいです」
―トゥループ以外の4回転の練習は?
須本「調子が良ければフリップとループとサルコウ。ルッツをやりたいんですが、トリプルが崩れやすく、4回転だとわからなくなってしまうので、ルッツはもっと後で。ループとサルコウを結構やっているので、そこはもっとやっていきたいと思います」
―チャレンジャーシリーズは初めてのシニアでの参戦となります。
須本「去年、アジアンオープンはシニアでしたが、本当に悔しい思いをして。そんなに順位になると思って試合に行かなかったので、余計悔しい思いをしたので、今回は守るものは何もないので、しっかりショートもフリーもせめていきたいと思います」
今大会前、仙台で調整を行っていました。
「プログラムの手直しではなく、(振り付けも担当している)阿部奈々美先生の強化練習が3日間あったんです。体力づくりのためにおいでと言って下さり、仙台に行きました」(須本選手)
須本選手、大会ではトリプルアクセルを決めていました。が、股関節に不具合があり、実は本調子ではなかったそう。
「アクセルは全然大丈夫なんですけど、トゥループ、締められるのはしめられるんですけど。片足でこけたときがダメになるので。CSシリーズも選んでいただいたので、それまでに1ヶ月ちょいですが、トレーニングをちゃんとして、負担かかってもケガをしないようにしていきたいです」(須本選手)
2位の三宅星南選手(岡山理大附高校)は転倒したものの、4回転サルコウに挑戦。吉野晃平さん振り付けの「ラストサムライ」をダイナミックなジャンプと力強いステップで演じ切りました。
「うーん、内容がボロボロだったので。ミスがたくさんあったんですけど、シーズン初戦でいい経験ができてよかったと思います」(三宅選手)
―以前は練習でできていることが試合でできないということでしたが、シーズン初戦で気負いました?
三宅「なかなか調整がうまく行ってない中で、思い切ってできたので、そこは良かったかなと思いますし、そこはどんどん試合が始まっていくまでには調整していきたいと思います。去年とはちょっと試合に対するメンタルが違う風に持っていけたので、練習でも結果が出せるのかなと思います」
―調整遅れはあった?
三宅「靴もあったんですが、まあ、まだシーズン頭でなかなかジャンプが安定しないので、そこは自分のせいかなと思っています」
―今回のショートもフリーもシニアらしい感じですが、意識を変えた?
三宅「意識が変わったわけではないんですが、去年より大人っぽく滑りたいなという思いますし、ショートも大人っぽい曲なので、そこは変わってきたかなと思います」
―今後、シニアで戦っていくためにどういうふうに考えていますか?
三宅「ステップの正確さや、上半身の状態も必要ですし、安定してスピード。シニアの大会、今回見てもスケーティングの推しの強さが全然違ったので、そこはもっともっと体力面もスケーティング技術もあげていかないといけないと思います」
3位には京都両洋高校の森口澄士選手。
冒頭のトリプルアクセルは、2.20の加点がつきました。
110.52点を獲得し、フリー2位で総合3位です。
森口選手、記者に囲まれての取材は初めてだったため、表彰式後の囲み取材では「初めてなので緊張しています」とつぶやいていました。
―トリプルアクセルのクオリティがすごく高かったのですが、前から得意でしたか?
「今シーズンになってから、確率もあがってきて、練習では入るんですけど、ちょっと自分の得意というかいい高さを生かして、飛べるようになりました」
―トリプルアクセルですが、今年からクオリティが高いものができるようになった?
「ずっと挑戦はしているんですが、ステッピングアウトとか転ぶことが多かったんですが今日のフリーで入ることができたので、自分でも喜んでいます」
―自分の持ち味は?
「ジャンプの高さです」
―これを直していきたいところは?
「後半の体力はスピードです。疲れて自分の滑りが出せなくなっていく課題は前からあるので。体力づくりは頑張って向上していきたいです」
―今日の率直な感想を。
「決まったのがトリプルアクセルのみですが、目標としていた表彰台に上がれてうれしいです」
競技結果
1位 須本光希(関西大学) ポイント208.04(SP1位 FS1位)
2位 三宅星南(岡山理大附高校) ポイント169.68(SP2位 FS7位)
3位 森口澄士(京都両洋高校) ポイント167.61(SP6位 FS2位
4位 杉山匠海(就実学園) ポイント162.48(SP5位 FS4位)
5位 吉岡希(アクアピアスケーティング
表彰式では多くのファンが集まり、カメラのレンズがくもったほど熱気にあふれていました。
<撮影・文 廉屋友美乃(かどやゆみの)>